07
 
「ダメ。真昼は僕のものなんだから……いくら雨水さまだって、浮気なんてさせないからね!? 真昼の体によーく言い聞かせておかなきゃ……んむぅ」
「わわっ……月読、制服から出るところにキスマークをつけちゃダメ!」
 強く肌を吸いあげる感触に抗って身を捩ろうとすると、月読の手でやわらかいお臍回りを撫でられた。「ひぇっ」と声をあげて、不覚にもびくんと感じてしまった。肌に触れられただけで、くすぶっていた熾きがふたたび真っ赤になるように、熱を掻きたてられる。
 その熱は月読に気づかれているのだろう。
 お腹をゆっくり撫でられながら、うなじから肩に、肩甲骨の凹みへとちゅっ、ちゅっと口付けられると、私の息はあっというまに乱れてしまった。
「ふぁ……あぁん……」
「真昼、ここを触れられると弱いんだよね。子どものころからくすぐりにも弱かったけど」
 くすくす笑われながら、お腹から下乳へと愛撫の手を移動させられると、やっぱり体の芯がどくんと熱く脈動する。ダメ。こんなところでって思うけど、体の疼きはもうおさまりそうになかった。
 背中から抱きしめられるようにして月読の手に胸を揉まれているうちに、体の昂ぶりはどんどん激しくなるばかりだ。
「あぁ……ふぁっ……つ、月読、やだ……制服、汚れちゃう……」
 言うのも恥ずかしいけれど、下肢の狭間が濡れて、いまにも下着から染みだしてしまいそう。それはやっぱり困る。だって濃赤のスカートに黒い染みがついていたら、情事のあとだって思われるに決まってる。私と月読は『子作りハウス』に住んでるんだもの。
「いいよ……スカートなんて汚したって、真昼のいやらしい蜜で、ぐしょぐしょになるまで濡らしてあげる……ほら」
 月読の低い声に、ぞわりと快楽とおののきが混じった気配が背筋を走る。
 なによ、その声……やめて。
 ぶるりと震えたところで、下着の上から秘処を撫でられたから、たまらない。甲高い嬌声が口から飛び出てしまった。
「ひゃぁあんっ!」
 びくびくってまるで痙攣したように身震いして、私は早くも達してしまった。
「あぁ……嘘、こんなの……はぁっ……」
 まだ触れられはじめたばかりなのに、体中が性感帯になったみたいに敏感になっている。
 たった一回、契りを交わしただけで、こんなふうに愛撫に感じやすくなってしまうものなのだろうか。そんなこと、本には書いてなかったけど!
 これが実地の恐ろしさ……本には書いていないことが現実には起きるものなのね。
 気怠い弛緩のなかでそんなことを思っていると、月読が背後で動くのを感じた。
 たぶん、制服の上着を脱いだのだろう。パサリという衣擦れの音が床から響いて、なんだかどきりとさせられてしまう。
 こうして聞いていると、服を脱ぐ音っていやらしいなぁ。背後でされて見えないだけに、なんだか想像力を掻きたてられて、ドキドキが増す気がする。
 私の体が落っこちないように月読が手を伸ばしてくれたときには、もうシャツ姿になったのだろう。まだ糊のきいたシャツが肌に擦れて、「あぁんっ」なんて鼻にかかった声が飛び出た。布地が素肌に当たるのも辛い。肌が粟立って、艶めかしい吐息が零れる。
 ずくずくと秘処が熱を持って疼く。必死になって堪えていないと、頭がどうにかなってしまいそうだ。私が月読の上で身じろぎしないでいると、今度は私の制服のスカートを脱がされた。もう残っているのはずらされた胸のコルセットと、下肢の下着だけ。
「すごい、まだ下着を脱がせてないのに真昼の匂いがする……」
「なっ、なんてことを言うのよ、月読ってば!」
 恥ずかしい。戦争だけじゃなく、天然も滅びろ! 率直すぎる幼馴染みの感想はあまりにもいたたまれなくて、私はじたばたと月読の膝の上で暴れてしまった。
「わわっ、真昼。暴れると危ない……!」
 そんな慌てた声にすこしだけ溜飲を下げたのもつかの間、もともと膝の上なんて安定が悪いに決まっている。バランスを崩した私は下着だけの猥りがましい格好で、かくんと落っこちた。はずだった。なのに、床に落ちて痛みを感じる代わりに、私の体はお尻を月読の前に突きあげるようにして、浮いていた。
「あ、あれ? 私浮いて……ひゃぁぁっ、ちょっと月読、なにしてるの!?」
 ありえないけど、理由は考えるまでもない。月読の飛行術だ。自分以外を、それも人間の体を持ちあげるのは難しいと聞いたことがあったけれど、月読は苦にせずできるらしい。
 月読の手が伸びて、からりと、私の靴を落としていく。ちょっと、靴を脱がせるなら、靴下も脱がせてよ!
 中途半端に下着だの靴下だのが残っているのは、月読の趣味なのか。
 自分で自分の体がままならない状態では、どうすることもできずに、ただ羞恥に耐えていると、腰を掴まれて月読の眼前に引き寄せられた。この格好はまずいでしょう! なんて思う間もなく、下着の上から秘処をぺろりと舐められた。
「ひゃぅっ! や、こんなの……し、舌は……感じちゃうから、ダメ……あっあっ……ッ!」
 ダメって言ってるのに、月読は器用に私の体を魔法で空中に固定させて、舌をぐりぐりと割れ目に押しつけてくる。下着の布地が擦れるのが、直接舐められるのとはまた違った感触で感じさせられてしまう。ねっとりとした快楽が陰唇で渦巻いた。
「ん……舌のほうが指で触るより感じちゃうんだ。じゃあ、要望に応えて、直に舐めてあげるね。……真昼をもっと気持ちよくしてあげる」
 最後のところを低い声で言われると、またぞわりと腰が震えた。
 こんな月読の声、いままで聞いたことがない……。
 嗜虐的な声音に、ぶるりと震えあがることの快楽を感じてしまう自分も知らない。
 月読ってばやっぱり、子作りするときは性格が変わってない?
 なんてツッコミする理性は、あっというまに蕩けてしまいそうだった。
 最後の砦のように残っていた下着を下肢から剥ぎとられ、濡れた陰唇をぬるりとやわらかい舌が這うと、官能に開かれはじめていた体はあっというまに快楽に墜ちた。
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